相続関連で手紙を書く際の挨拶文

親族が亡くなった場合、通夜や葬式などといった様々な儀式を行う必要があります。それらが終わったならば、次いで相続の問題が持ち上がります。相続の問題は、まず誰に相続権があるのかといったことから始まり、様々な悩みが出てくる問題です。

そのような相続問題を解決するために、役立つ手紙の挨拶文について紹介します。

相続問題で手紙が必要な状況

人が亡くなると、そのことが親族に知らされて葬儀などのために集まります。故人が所有していた財産を相続するのは、故人に近しい親族が基本です。葬儀などで集まった親族たちは相続権を持っていることが多く、葬儀が終わった後は、故人が所有していた財産がどれだけあり、誰がどれだけ相続する権利があるのかといった相続問題を話し合うことになります。

一度親族が集まっているのならば、相続問題に関係して手紙が必要となることはないのではないかといったことを考える人もいますが、そのようなことはありません。まず、故人の葬儀に集まった親族が必ずしも近隣に住んでいるとは限りません。

県をまたいだ遠方に住んでいることもあれば、場合によっては海外にいる可能性すらあります。そして、相続の問題は、1回の親族間の集まりで解決する問題とは限りません。何度も親族間で話し合いが必要となる場合も考えられます。

そのような場合に、何度も集まることは、金銭的にも精神的に大きな負担です。そのようなことを避けるために、手紙や電話でもって手続きをしていくことが重要となります。また、相続問題はスムーズに相続手続きが済む場合もありますが、済まないこともあります。

仮に、相続問題がスムーズに解決したとしても、相続においては親族間の同意やそれぞれで書類作成・捺印が必要となるものです。多少なりともそれらは手間となることは確かです。

相続問題がすべて解決し際には、今後の関係をこじれさせないためにもお礼の手紙を送ることが勧められます。そして、もっとも手紙が必要となる場合が、面識のない相続権を持った親族に連絡をする際です。故人の葬儀に参列する親族だけが相続権を所有している親族とは限りません。

仮に故人が結婚と離婚を何度か繰り返していたとします。最初の結婚で設けた子どもと後々の結婚で設けた子どもとの間で面識がない可能性は十分あり得ます。面識がなく、それまでの生活で故人とのかかわりが薄かったとしても、相続権はしっかりと所有しています。

そのような親族に対して、相続問題の解決のために連絡を取る際に最も適した方法が手紙です。

手紙を書く際の注意点

相続権のある親族に対して、手紙を送ったり連絡を取ったりする場合、やってはならないことというものがあります。これを怠ってしまうと、相続問題をスムーズに解決するために送った手紙によって、かえって問題をこじらせる可能性もなくはありません。

相続問題はデリケートな問題です。そのため、手紙で連絡する際に手紙を書く際のマナーに則って書いていくことは大前提です。(参考情報|相続相談|ソレイユ総合ナビ)

どれほど気安い関係性であっても、誤解を生むような表現を避け、マナーを守って手紙を書かなければなりません。

マナーを守らずに手紙を書いてしまうと、後々に発生する新たな相続の際に問題となるかもしれません。相続問題の方向性が決まっている場合は、手紙の内容に特別気を遣う必要はないかもしれません。マナーを守りつつ、相手にとって失礼な内容とならないよう心掛け、感謝の言葉を添えつつ文面を考えればよいでしょう。

文面に注意を払う必要があるのは、面識のない・交流の少ない親族に対する手紙を書く場合です。そもそも相続問題が発生していることを知らない可能性もあれば、手紙を送るこちらのことを知らない可能性も高いです。そのようによく知らない相手に手紙を送る場合には注意が必要です。

相続問題を素早く解決したいと考えて、自身の要望を押し付けるような形の手紙を書いてしまうと、相手に不信感や不快感を与える可能性が高まります。よく知りもしないような相手から一方的に要求されては、相手も連絡を取ることを嫌がるでしょう。

最初の手紙の挨拶文の文面を失敗してしまうと、最悪相手からの折り返しの連絡が全く来ない、相続問題の解決に非協力的な状況を作り出してしまいかねません。

手紙の中に盛り込むべきこと

相続問題は、場合によっては非常にデリケートな問題となります。

そのため、手紙を書く際には気を付けるべきことがいくつかあります。まず、手紙全体において気を付けなければならないことは、正直で丁寧であることです。

お金が絡む問題において、虚偽のことを書いてしまうと相手に不信感を抱かせるばかりか、場合によって詐欺に当たる可能性があります。絶対にしてはいけないことです。そして、今後問題を解決するにあたり、丁寧な対応は必要不可欠です。

そのうえで、わかりやすい理路整然とした文面を心掛け、できるならば正式な書類も添付することが勧められます。そして、相手に無理な要求をしては、問題解決になりません。手紙を書き始めるにあたり、必ず盛り込むべきことはいくつかあります。

付き合いの薄い、あるいは面識のない相手ならば、まずは自分が何者なのかといったことから書き始めます。故人と自分の関係、故人と相手の関係を丁寧に書き出して、自分が不審な相手ではないことを証明することが必要です。

次いで、被相続人が亡くなったこと、亡くなった際の状況、相手が相続人に該当している旨を記します。そして、手紙を送った理由である相続問題があることを記し、どのような解決方法を望んでいるのかを謙虚な文面で書いていきます。

解決方法は、ひとつだけでなく、相手の立場も考えていくつか用意しておくとよいでしょう。最後に自分の連絡先を書くことを忘れてはいけません。

挨拶文の例

実際の挨拶文の例を、いくつか紹介します。まず、相続問題が解決した際に親族に送るお礼の手紙の例です。相続問題でもめていたとしても、そのことを強調するような文面は避け、感謝の言葉とこれからの付き合いの継続をお願いする内容が望ましいです。

「○○様拝啓この度は、亡××の関係でお世話になりました。手続きが無事完了しましたことを謹んでご報告させていただきます。これからも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。ありがとうございました。敬具」自分が相続放棄をした場合には、相続権が移るであろう親族に対して連絡することが望ましい場合があります。

もし、被相続人の財産が債務ばかりで、何の連絡もなく相続放棄をすれば、相続権が移った相手は知らない間に多額の借金を背負ってしまう可能性があるからです。

連絡の手紙を送ると、後々のトラブルを避けることができます。

「○○様拝啓亡××の相続について相続放棄の申述をいたしましたことをお知らせいたします。これにより○○様が相続人となりますので、速やかな手続きを取られることをお勧めいたします。敬具」このような挨拶文とともに放棄の書面のコピーを送るとよいでしょう。

最も悩ましい手紙が、疎遠・面識のない相続人に対して相続放棄を依頼する旨を伝える手紙です。相手と自分、被相続人との関係から細かく書いていくことになります。「○○様拝啓突然のお手紙でご不安なお気持ちになられたかと思いますが、どうかお許しください。

この度〇年〇月〇日に○○様とわたくし(××)の母である〇×が亡くなりました。この度は母〇×の相続のご協力のご依頼でお手紙を記しています。母は〇年に結婚し、○○様が誕生しました。離婚したのち〇年に再婚を果たし、わたくしが誕生いたしました。

それからは母とともに過ごし母の世話をずっとしてきています。母が亡くなったのは〇が原因です。のちに葬儀を行いました。相続手続きをするために戸籍を収集したところ、○○様を知りご連絡させていただいた次第です。

法律では○○様にも相続権はありますが、これまでの状況や財産状況今後の生活を考えて争うことなく相続問題を解決したいと考えています。

相続の放棄をお願いできますでしょうか。別の案としては以下の提案がございます。母名義の財産においては以下の通りです。こちらの都合ばかりを述べて大変わがままではありますが、どうかご寛大な対応をお願い申し上げます。

どうかご無礼をお許しください。お返事をいただきましたら書面をお送りいたします。署名捺印と印鑑証明が必要となるのでよろしくお願い申し上げます。お忙しい中お手数をおかけしますが〇日までにご返答のほどご協力お願い申し上げます。

不明な点がございましたらお気軽にご連絡下さい。敬具」

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手紙でも問題が解決しない場合

相続問題を解決しようと思って手紙を書くことは多いです。自分の要求をしっかりと書きつつ、相手に対して失礼のないように書かなければならないので、気を遣うものになります。しかし、いくら丁寧に手紙を書いて送っても、相手から了承を得ることができないこともあります。

その場合は、相手と直接遺産協議をしなければなりません。また、手紙を送っても無視をされる場合もあります。これは最も面倒なケースかもしれません。遺産協議は相続人すべてで行わなければならないため、無視されると手続きが進みません。

最終的には家庭裁判所へ遺産分割の調停を申し込むことになるでしょう。